銀座Rails#29を開催しました
去る2021/1/29(金)、銀座Rails#29を開催しました。
当日の様子は、togetterのまとめを御覧ください。
スポンサーセッション リンクアンドモチベーションさま
今回は、SREチームのテックリードをされている河野さんがご登壇。社内でのDXの取り組みについてのお話でした。 1年前は緊急課題の対応で精一杯だったところに、改善を行うために開発組織に「ものさし」を導入。 書籍「LeanとDevOpsの科学」、DX Criteriaなどを参考に指標を決め、様々なことを改善しているとのこと。 標準レベルには達したものの、まだまだ改善していきたいとのことです。
現在も人材募集中との事で、まずはカジュアルに雑談をしましょうとの事でした。
採用ページはこちらから www.wantedly.com
森雅智(@morimorihoge)さん(BPS株式会社)「出張Railsウォッチ in 銀座Rails」
今回の森さんのお話は、主にAWSにおけるServerless環境との相性の悪さ、難しさについてでした。
Serverless環境では、Requestが発生されたタイミングで関数が呼び出されますが、pumaやunicornと共に運用するRailsのような、サーバレスではないアプリケーションは、初回起動時に時間がかかることをまず説明。
その相性の悪さに対して工夫している例として、Railsライクにコードが書け、endpoint毎に分解でき、AWS Lambda + API Gatewayとして登録できる「Ruby on Jets」、LambdaからRackを呼び出して、Railsそのものを動かす「Lamby」について、概要の説明と使用感を共有していただきました。
Yasuo Honda(@yahonda)さん 「Ruby 3.0 とRails 6.1の"サポート"マトリクスについて」
RailsコントリビュータであるHondaさん。今回はRubyとRailsの互いの対応状況のマトリクスについてお話頂きました。
まずはRailsとRubyのメンテナンスポリシーを説明。それぞれ独立しており、どのバージョンを、どのポリシーで、どの期間メンテナンスするのかについて決められているとのこと。
その上でRailsが必要とするRubyバージョンには上限を設けないこと、何を対象にCIを実施しているかなどについて解説。
更に、RailsがRuby 3.0にどのように対応していったのか、実際のPRやチケットを例示しながらご説明頂きました。
安川要平(@yasulab)さん 「RailsチュートリアルとRailsガイドのデータで見る、Ruby学習者の動向」
RailsチュートリアルやRailsガイドを運営している安川さん。今回は運営上得た統計データ(Google Analytics など)を元に、学習者の動向をご説明頂きました。
まずはミスリーディングが無いように、データの性質について説明した上で、グラフでデータを図示し、補足を加えながら、「観測できる範囲では、学ぶ人は増えている」「RubyやRailsで検索する人は、増えている」という結論を出されていました。
またRailsTutorialを完走された方がその後どうされたかについて、開発者となった方や新規事業を始めた方などの事例を紹介されていました。
スポンサーセッション forkwellさま
今回もおなじみ重本さんによる動画、内容は「自由なエンジニア 不自由なエンジニア」。 自由なエンジニアは、社内評価と市場評価が釣り合っているとのこと。勉強会やコミュニティへの出席がその解決方法の1つであるものの、コロナ禍によってなかなか参加しにくくなっています。 そこで代わりとなるのがスカウト機能。市場評価を受け取ることができますが、スパムが多いのは悩みどころ。 forkwellさまはインタビューや調査を重ね、一括送信によるスパムが無いなど、受け取り手に優しいForkwell Scoutを開発したとのことです。
ゲストスピーカー やさいち(@_yasaichi)さん「Active Recordから考える次世代のRuby on Railsの方向性」
今回のゲストスピーカーは、Perfect Rails著者の一人であり、PIXTA社でCTOをされているやさいちさんをお招きしました。
2019年のRailsDMで発表された「Ruby on Railsの正体と向き合い方」。その後フロントエンド環境が大きく変化し、そこで生まれたのは「Railsが置き換えられるとしたら」という問題意識だったとのこと。
まずはActiveRecordの正体と題して、PoEAAなどの書籍を参考にしながら、ActiveRecordのアーキテクチャについて分析。その特徴と利点を述べた上で、更に改善の余地がある部分について説明。
次に次世代のRailsの方向性と題して、Railsに変わるフレームワークの次世代の姿を、フロントエンドからのアプローチ / バックエンドからのアプローチの2つのアプローチに分けて考察。
それぞれの現状から課題、その解決となるかどうかの成否の条件についてお話頂きました。
更に懇親会では、バックエンドからのアプローチにおけるDHH氏の動きなどについてもお話され、参加者と共に大変盛り上がりました。
次回、銀座Rails#30について
次回銀座Rails#30は2021/02/26(金)、オンラインでの開催となります。
ゲストスピーカーには笹田 耕一さんをお招きし、『Ruby 3.0 の Ractor について』をお話頂く予定です。
現在、参加者/発表者共に募集中です。 ginza-rails.connpass.com